令和3年度「第49回」労働衛生コンサルタント試験(労働衛生工学)回答速報4
今日は問2の後半、小問(2)に取りかかります。
騒音測定結果の、周波数解析結果と日本産業衛生学会の騒音のばく露許容基準を用いた計算問題になります。小問(1)の「表1 オクターブバンドの周波数重み付け」を利用するのがポイントのようです。
問題文と図表
(2)ある作業者が屋外で騒音作業をしていた時、作業者の近くで騒音を測定してオクターブバンドによる周波数解析を行ったところ、表2の結果が得られた。以下の①~③の問に答えよ。 但し、問題文中の空欄には、上記(1)の同じ記号の空欄とおなじ語句等が入る。
なお、必要に応じて表1の数値、および、図1のy=10^xのグラフを用いて良い。
表2
①日本産業衛生学会の騒音のばく露許容基準(図2)を用いて、この騒音のばく露許容時間(分)を計算過程を示し、求めよ。(有効数字2桁)
②この騒音の【K】=【等価騒音レベル】を計算過程を示して求めよ。(有効数字3桁)
③この騒音現場で作業者が耳栓(SNR値:25dB)を使用するとき、耳栓装着後に期待される【B】=【騒音レベル】を、計算過程を示し求めよ。(有効数字2桁)
回答案①
表2にA特性の補正を行います。
ということで、最小のばく露時間 30分が、許容時間となります。
図2にもプロットしてみました。
https://www.onosokki.co.jp/HP-WK/c_support/newreport/noise/souon_12.htm
の式を用います。
図1のy=10のべき乗の図から、
L=10log10(10^7.8+10^8.4+10^9.6+10^9.2+10^9.0+10^9.6)
=10log10(6×10^7+2.5×10^8+4×10^9+1.5×10^9+1.0×10^9+4×10^9)
=10log10((6+25+400+150+100+400)×10^7)
=10log10(108×10^8)=10log10(4×27×10^8)
=80+10×{2×log10(2)+3×log10(3)}=80+10×(0.6+1.44)
=80+20.4=100.4dbB 答え 100dB
図1に書き込んでみました。
SNR値:25dBを各バンドで引きます。
騒音レベルと言うことなので、A特性補正値は用いません。
L=10log10(10^6.2+10^6.2+10^7.1+10^6.6+10^6.4+10^7.2)
=<図1が、7.5以上なので、全部に100倍して読み取って、最後に割ります)
=10log10{(10^8.2+10^8.2+10^9.1+10^8.6+10^8.4+10^9.2)/100}
=10log10{(1.5×10^8+1.5×10^8+1.3×10^9+0.4×10^9+2.5×10^8+1.5×10^9)/100}
=10log10((1.5+1.5+13+4+2.5+15)×10^6)
=10log10(37.5×10^6)
=10log10(75/2×10^6)=10log10(5×5×3÷2×10^6)
=60+10×(log10(5)+log10(5)+log10(3)-log10(2))
=60+10*(0.70+0.70+0.48-0.30)
=60+10*(1.58)
=75.8dB 答え 76dB
②③共に、一番騒音レベルの大きい周波数帯の騒音レベルが、2-3帯域あるので、
合計の騒音レベルが2-3倍=3~4dBプラスした値というイメージの数字ですね。

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この記事へのコメント
勉強中なのでお時間がある時に確認していただけると答え合わせができて助かります。
よろしくお願いします。
勘違いでしたらすみません。
投稿されていないと思い2回目の投稿になっていたら申し訳ありません。
ご指摘のとおりです。1KHzのオクターブバンド音圧レベル96なので、計算には、べき数7.1を使うべきでした。2KHzは、91なので計算のべき数6.6を使うべきですね。
修正しますので、しばらくお待ちください。
とても見やすく計算過程まで載せていただいているので本当に助かります。
先月の第51回コンサルタントの試験も解いてはみているものの難しくなかなか進みません。
お時間ありましたらまた載せていただけると嬉しいです。
お忙しい中大変恐縮ですがよろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
2023の問題が公表されましたね。
ボチボチ解いてみたいと思います。